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AC基板を修理する 【怒首領蜂大往生】

修理のために預かった各種AC基板について、まず一番症状が軽そうな怒首領蜂 大往生から。聞く所によると、電源が入らなくなったとの事。このゲーム、音楽、世界観ともどこか耽美(たんび)で割と好きです。この路線に方向転換した最初のシリーズと思います。

 まずカバーを開けるとホコリとヤニでガビガビになったファン、直下のQFPチップがお目見え。

 

さらにバックアップ電池も液漏れで死亡。幸い電解液による基板の腐食はない模様。

 

電源が入らない原因は部品の足に堆積したヤニ混じりのホコリによるショート。おそらくヤニ交じりのホコリが湿気を含み、導電性を持ってしまったための不具合ではないかと推測。恐らく、長い間タバコ上等なゲームセンターで、高温な筐体内で動作させられた事によりこんな事になったのではないかと。業務用ゲーム基板としては正しい故障の仕方と思います。

 

修理の方向性としては基板上のヤニとホコリを除去。まずは無水エタノールを含ませたウエスと綿棒で丁寧に基盤を清掃します。最後に基板洗浄用のスプレーを使い、綿棒とウエスでは取り切れなかったチップの足の間汚れを洗浄液とスプレーの圧力で洗い流し、キチンと乾燥させます。

 

だいぶきれいになりました。

 

ばっちり復活しました。これでダメならガスレンジ用のマジックリンと歯ブラシで基板丸ごと水洗いする所でした。

 

消費電力についてはファンを回さない状態で+5V、+12V合わせて約14W程度。だいぶ省電力。筐体に入れずに使うならファン無しでも大丈夫かもしれません。

 

また、バックアップ電池については以下の物が適合します。

本基板ではハイスコアや基板の設定データの保持のみに使用するようで、無くても起動はしますが、15年前の基板のため予防的に交換した方が良いでしょう。(これ以降の世代ではコピー防止のセキュリティキー保持のために使用しているため、バッテリーが切れると起動不能となります。)