Raspberry Pi用DACが使えるUSBオーディオIFを作る
Raspberry Pi用のDACボードをUSBで使えるようにするボードを設計しました。これは数多く世にリリースされているRaspberry Pi用のDACボードをUSBオーディオデバイスとして使用できるようにするボードです。
設計の経緯
12年ほど前に購入したPCIバス用オーディオIFカードを未だに愛用しています。一方、近年PCIバスがレガシーバスと位置付けられ、最近のPC用マザーボードからはPCIバスのない機種が増えてきました。現世代では選択肢は限られるものの、PCIバスを搭載したマザーボードは存在しますが、これ以降の世代ではこのオーディオIFカードを使用し続けることが難しいのではないかという事からでした。
また、長く使えるようにするため、インターフェースはUSB、DACとの接続をRaspberry PiのGPIO互換とする事で世に出ているたくさんのDACボードで遊べるようにしました。
特徴
- Raspberry Piと互換性のある形状のため、Raspberry Pi用のケースを使う事が出来ます。
- DACボードに電源供給もできるため、Raspberry Piから電源供給が必要なDACボードも使用できます。(+3.3Vはシリーズレギュレータ電源のため、オーディオ用途に適します。)
- Raspberry Piでは供給されないMCLK信号も出力します
- 各クロックはオーディオ専用DAIチップから供給されるため、Raspberry PiのSoC内蔵PLL由来の周期ジッタの心配がありません
- 電源の逆流防止回路を搭載しているため、Raspberry Pi本体にも電源供給を行うタイプのDACボードでも使用できます。また、お手持ちの高品質電源をそのまま使用できます。
- USBからのVbus電源の補助として+5V電源を外部入力できます。
仕様
- 使用チップ:PCM2706
- サンプルレート:32k, 44.1k, 48k 16bit (PCM2706の仕様に準拠)
- 出力フォーマット:I2S(64fs)
- MCLKクロック:256fs(GPIO4, Pin7から出力)
- 電源出力:+3.3V, +5V
- DACインターフェース:Raspberry Pi GPIO互換配置
その他
回路図は以下のURLで公開しています。
GitHub - fcnt/USB-I2S_IF_board_for_RPi_DACs: USB-I2S_IF_board_for_RPi_DACs