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推しまくりのホラーADV Scorn

もう1年前の話ですが推しまくりのグロテスクホラーADV、Scornを気合で(と言うか心を無にして)終わらせました。半分義務としてプレイした感じもします。

戦闘要素や衝撃のエンディングについて賛否両論ありますが、製作チームがやりたかったであろう事をプレイヤーに媚びずにやり切った事、ジャンプスケア(大きな音や突然画面に敵を出してプレイヤーを驚かせようとする手法)を絶対にやらないという強い意志が感じられた点は非常に良かったと思います。

一方で僕自身の感想としては、戦闘要素、エンディングについてはダメだと思います。まず戦闘要素については詳細は割愛しますが、「クリーチャーと武器のデザインを最初に作ったので、無理やり戦闘要素を入れたのでは?」と感じました。

エンディングは尻切れ感ありありで「本当にこれは意図したエンディングですか?」という印象です。製作時間がタイムオーバーで、無理やり締(し)めたような印象を受けました。

エンディングを受けて各所でストーリーについて考察が行われていますが、僕自身は「ストーリーは無い」という説を支持しています。最終章のACT5で主人公が自ら生贄台に上がり、儀式のようなものが始まってエンディングに繋がる所から、強いて言えば宗教的巡礼説が近い気がしますが、ゲーム自体が一切の説明を許さない性質のため本当の所は謎です。

プレイしていて最終章とそれ以前の世界とでステージのデザイン、敵のデザインの繋がりが自然ではないと感じました。どちらかを先に作っていて、無理やりつなげたためにストーリーもつじつまが合わせられていないのでは?というように見えました。(よってゲーム全編を通してのストーリーは上手く繋がっていない印象を受けました。)

最終章のACT5はグロテスクさが夢に出るレベルだったので心を無にしてプレイしました。特にゴア表現がACT5で急に激しくなり、胎児を潰して排出する堕胎表現、生贄にされた自分が腑分けされる所を見る、寄生された謎生物を自分で分離手術をするなど、グロテスク表現が急に過剰になった印象でした。これも最終章とそれ以前の繋がりが悪いと思った要素です。(ACT5ではHRギーガーの世界では外せない性や性交をモチーフにした表現も登場します。)

一方で世界観はすばらしく他に無い唯一のゲームだと思います。世界のディテール作り込みは素晴らしく、HRギーガー、ベクシンスキーの絵画の中を歩いているような雰囲気です。戦闘要素を排した単純に世界を見て回るだけの観光モードが欲しいと思いました。

続編は期待できないと思いますが、もう少し歯切れの良いエンディングで謎を説明しても良かったのでは?と思います。